対戦アクション(プラットフォーム・ファイター)の要素を取り入れたハイテンポな横スクロールアクションゲーム『Possessor(s)』がリリースされました。異次元災害により引き裂かれた巨大都市を舞台に、宿主の「ルカ」と相棒の「レーム」が探索と戦闘を繰り広げます。ミステリアスなストーリーと精密な操作が求められる戦闘が特徴の本作ですが、実際のところ「面白い」のか、それとも「つまらない」のか、気になっている方も多いはず。この記事では、寄せられたレビューや感想を元に、その実態を詳しく解説いたします。
『Possessor(s)』の主な特徴と魅力
まず、本作がどのようなゲームなのか、その特徴を見ていきましょう。結論として、本作は「メトロイドヴァニア」の探索要素と、「対戦格闘ゲーム」のようなシビアなアクション性を融合させた、挑戦的な作品と言えます。
物語の舞台は、水没し廃墟と化した隔離都市です。プレイヤーは宿主のルカと相棒のレームを操作し、この不規則に繋がった巨大な世界を探索することになります。手描きアニメーションで描かれるキャラクターたちや、廃墟の水族館、倒壊した摩天楼といった妖しく美しい景色が、ミステリアスなSFホラーアクションの世界を構築しています。ゲームプレイの中心は、精密な操作が要求される2Dアクションです。地上と空中の攻撃を駆使したコンボや曲芸のような動きで、敵やボスに立ち向かうことになります。強力な武器やアップグレードをアンロックすることで、探索エリアが広がり、より深く世界へ潜っていくことができる、探索と成長のサイクルも用意されています。
- 独特な世界観
異次元災害で荒廃した、手描きアニメーションで描かれる巨大都市。 - ハイテンポな戦闘
対戦アクションにインスパイアされた、精密な操作が要求される2Dアクション。 - 探索と成長
多数のエリアが繋がる世界を探索し、武器やアビリティをアンロックして道を切り開きます。 - 重厚なストーリー
破壊された世界に隠された真実を解明する、ミステリアスなSFホラーアクション。
アートスタイルと探索の快適性(良い点)
本作のレビューで共通して評価が高いのは、その美しい「アートスタイル」と、主人公のアビリティを使った「移動の楽しさ」です。ゲームの視覚的な魅力と、基本的な移動アクションは多くのプレイヤーを惹きつけているようです。
複数のレビューで「アートスタイルは素晴らしい」「素晴らしいアートとビジュアル」と絶賛されており、手描きアニメーションで描かれる終末的な都市の景色は、本作の大きな魅力の一つになっています。また、移動に関するシステムも好評です。「ムチ(Whip)のメカニクスがクールで、トラバース(移動)のスイングが気持ち良い」という意見があり、探索における移動自体は快適で楽しい体験を提供してくれるようです。サウンドトラックについても「そこそこ良いが、少し忘れやすい」という評価はあったものの、ネガティブな要素はほとんどありませんでした。メトロイドヴァニアとして重要な「探索そのものの楽しさ」の土台は、しっかりと築かれていると言えます。
- 手描きアニメーションによる、妖しく美しいアートスタイル
- ムチを使ったスイング移動が気持ち良く、探索の移動自体は楽しい
- サウンドトラックは悪くない
- 価格設定が適正である
賛否両論・厳しい評価(戦闘と操作性)
一方で、本作の核となる「ハイテンポな戦闘」と「操作性」については、非常に厳しい評価が寄せられており、この部分が「面白い」か「つまらない」かの大きな分かれ目となりそうです。
戦闘システムに対しては、「爽快感がない」「反応が鈍い」という声が多く聞かれました。特に、対戦アクションの影響を受けたという要素について、「敵を少しお手玉できる程度に過ぎず、全体的にレスポンスが悪い」と指摘されています。さらに、敵の攻撃アニメーションが分かりにくく、予備動作がほとんどないため、回避が難しい点もストレスの原因となっています。加えて、アクション性の高いゲームにもかかわらず、アニメーションが「ギクシャクしていて滑らかではない」という根本的な操作性の問題も指摘されていました。また、戦闘中の不満点として以下の点が挙げられています。
- 敵がハイパーアーマー(攻撃を受けてもひるまない)で攻撃を強引に耐えてくる。
- コンボ中に方向転換ができず、操作が硬直する。
- 敵からのノックバックやスタンロック(行動不能になる状態)が厳しすぎる。
- 戦闘中に足場から誤って落下することが多発する。
また、古典的なメトロイドヴァニアの難点を彷彿とさせる部分もあり、「『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』や『Mummy Demastered』で落下中に受け身が取れないのが嫌いだった人は、本作も好きになれないだろう」と警告するレビューもありました。
その他の不満点(マップ・ストーリー)
戦闘以外の要素でも、ゲーム体験を損ねているいくつかの不満点が挙げられています。
まず、マップ機能が「詳細さに欠ける」と指摘されています。レベル構造が複雑であるにもかかわらず、マップの情報量が不足しており、カスタムマーカーの選択肢も限られているため、迷いやすいようです。探索がメインのメトロイドヴァニアにおいて、マップの不親切さは致命的な欠点になり得ます。また、ストーリーやキャラクターの対話についても、「特に惹きつけられるものがなく、ありきたり」と評価されており、重厚な物語を期待していると肩透かしを食らうかもしれません。主人公のルカについても、「主人公は間抜けだ。悪魔(相棒のレーム)の意見に同意する」といったユーモラスながらも手厳しい評価がされていました。
また、ゲームを進めても「見つけた体力回復やヘルスアップグレードの使い方がわからない」という報告もあり、システムの説明不足やUIの不親切さも懸念されます。
まとめ:アートは魅力的だが、戦闘のシビアさが試金石
『Possessor(s)』のレビュー・感想をまとめると、「美しいアートスタイルと楽しい移動システムを持つが、非常にシビアでレスポンスの悪い戦闘システムが、面白いつまらないの評価を分ける」作品であると言えます。
メトロイドヴァニアとして期待される「探索」の土台はしっかりしており、世界観も魅力的です。しかし、ハイテンポなアクションを謳いながら、敵のハイパーアーマーやシビアすぎるノックバックなど、操作性に不満を持つプレイヤーが少なくありません。この「戦闘の硬さ」や「不親切なマップ」を、メトロイドヴァニアの難易度や挑戦の一部として受け入れられるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの鍵となります。価格設定は適正だと評価されていますので、美麗なビジュアルと硬派な2Dアクションに魅力を感じる方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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