「宇宙人狼」というジャンルを確立した『Among Us』ですが、もしも議論の時間(会議)がなく、怪しい人物をその場で物理的に排除できるとしたらどうなるでしょうか。そんな過激なコンセプトを実現したのが『LOCKDOWN Protocol』です。一人称視点で繰り広げられる本作は、リアルタイムのアクションと騙し合いが融合した、非常にスリリングな体験を提供しています。しかし、Steamのレビュー欄には称賛の声と共に、開発体制に対する厳しい意見も散見されるのが現状です。果たして本作は今から始める価値があるのでしょうか。今回は、実際のプレイヤーの声を参考に、その面白さと抱える問題点を徹底的に分析します。
LOCKDOWN Protocolはどんなゲーム?
本作は、最大16人のプレイヤーが「従業員」と「反逆者(ディシデント)」に分かれて争う、一人称視点のソーシャル推理ゲームです。舞台となる閉鎖空間で、従業員側は制限時間内に指定されたタスクを完了することを目指し、反逆者側はそれをあらゆる手段で妨害します。ここまではよくある人狼ゲームと同じですが、決定的な違いは「会議フェーズが存在しない」という点にあります。
通常のこの手のゲームでは、死体が発見されると議論の時間に入りますが、本作ではゲームが止まりません。怪しい人物がいれば、話し合う前に銃やドライバーで攻撃し、力づくで排除することが可能です。また、プロキシミティチャット(近接ボイスチャット)が採用されており、近くにいる人とだけ会話ができるシステムも特徴的です。これにより、密室での密談や、遠くから聞こえる仲間の断末魔といった、リアルな恐怖と緊張感を味わえます。
- ジャンル:一人称視点(FPS)ソーシャル推理アクション
- 勝利条件:従業員はタスク完了、反逆者は全滅させるか時間切れを狙う
- 最大の特徴:中断のないリアルタイム進行と、物理的な戦闘が可能であること
LOCKDOWN Protocolの面白い点
プレイヤーから最も高く評価されているのは、ボイスチャットが生み出すカオスで楽しいドラマ性です。プロキシミティチャットの仕様により、「誰が何を話しているか全員には聞こえない」状況が生まれます。これが疑心暗鬼を加速させ、友人と遊んだ際には爆笑必至の展開を生み出すのです。例えば、タスクをこなしているフリをして重要なアイテムを隠したり、信頼させて背後から襲ったりといった、自由度の高い裏切りプレイが楽しめます。
また、「死んでも終わりではない」という点も評価されています。多くの人狼ゲームでは追放されると観戦モードになりますが、本作では死亡後も何らかの形で関与できる場合や、少なくとも次のラウンドへの回転が早いため、待ち時間のストレスが少ないです。価格も手頃であり、友人を誘って週末に遊ぶパーティーゲームとしては、非常にコストパフォーマンスが高い作品だと言えるでしょう。
- 臨場感ある会話:距離によって声の大きさが変わるため、没入感が段違いです。
- 会議不要のテンポ:議論が苦手な人でも、怪しいと思ったら行動で示せる爽快感があります。
- 多様な戦術:単に殺すだけでなく、重要アイテムを隠蔽して時間切れを狙うといった知能犯的なプレイも可能です。
LOCKDOWN Protocolのダメ・つまらない点
一方で、購入前に知っておくべき重大な懸念点があります。それは開発者による「事実上の開発終了宣言」とも取れる態度です。レビューによれば、開発側はKickstarterの目標未達を理由に、ロードマップにあった新マップや新モードの実装を取りやめ、早期アクセスを抜けて完成とした経緯があります。これにより、「これ以上のコンテンツ追加は望めない」という閉塞感が漂っており、将来性に不安を感じるプレイヤーが多いのが実情です。
さらに、ソロプレイ(野良)における環境も過酷です。見知らぬ人同士のロビーでは、理由もなく殺害される「RDM(Random Death Match)」や、暴言、初心者狩りといったマナーの悪いプレイヤーに遭遇するリスクがあります。また、コンテンツ自体のボリュームも決して多くはないため、同じマップとタスクの繰り返しになりやすく、友人とのロールプレイで変化をつけない限り、飽きが来るのは早いでしょう。
- 開発体制への不信感:約束されていた機能が実装されず、サポートが手薄になる可能性があります。
- ソロプレイの難易度:野良ロビーの民度にバラつきがあり、理不尽にキックされることもあります。
- コンテンツ不足:マップやタスクの種類が少なく、ゲームの寿命自体は短いです。
まとめ
結論として、『LOCKDOWN Protocol』は「遊ぶ環境」によって評価が180度変わるゲームです。気心の知れた友人を4〜8人集められるのであれば、最高のパーティーゲームとなり得ます。会議なしで殴り合える人狼というコンセプトは新鮮で、価格分以上に笑える時間は保証されています。
しかし、ソロでのプレイを考えている場合や、長期的なアップデートを期待している場合にはおすすめできません。開発側のスタンスやコンテンツの底の浅さを考慮すると、飽きるまでの時間は短いでしょう。
購入を検討する際は、以下の点を基準にしてください。
- 買い:ボイスチャットができる友人が複数人いて、短期的に盛り上がりたい人。
- 見送り:一人でじっくり遊びたい人、または開発が続く運営型ゲームを求めている人。
- 注意:将来的なコンテンツ追加は期待せず、現状の機能だけで満足できるか判断すること。
割り切って遊ぶ分には非常にユニークな作品です。友人と共に、宇宙ステーションでの殺伐とした業務を楽しんでみてください。
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