Goodnight Universeはつまらない?面白い?レビュー・感想まとめ

まばたきで物語を進めるという革新的な体験で高い評価を得た『Before Your Eyes』。そのクリエイター陣が手がける新作として、『Goodnight Universe』が大きな注目を集めています。今回は、超能力を持つ生後6ヶ月の赤ちゃん「アイザック」が主人公という、またもやユニークな設定です。果たして、本作は前作を超える感動を与えてくれる「面白い」作品なのか、それとも期待外れの「つまらない」作品なのでしょうか。この記事では、寄せられた海外レビューや感想をまとめ、その評価を探っていきます。

『Goodnight Universe』とは?

まず、本作がどのようなゲームなのか、その概要をおさらいしましょう。結論として、本作は『Before Your Eyes』の革新的なカメラ技術をさらに進化させた、没入型のナラティブ・アドベンチャーです。

プレイヤーは生後6ヶ月の赤ちゃんアイザックとなります。彼には不思議な超能力が芽生えており、家族に愛され、受け入れられることを願っています。しかし、その能力を狙う秘密主義のテクノロジー企業が彼を追っている、というストーリーです。本作の最大の特徴は、「カメラをコントローラーとして使う」モード。前作の「まばたき」だけでなく、表情のトラッキングや「目を閉じる」といった動作がゲームプレイに組み込まれています。これにより、アイザックの視点を通して、より深く物語に没入することを目指した意欲作と言えるでしょう。

  • 『Before Your Eyes』のクリエイター陣による待望の新作
  • 主人公は超能力を持つ生後6ヶ月の赤ちゃん
  • Webカメラを使い、表情やまばたき、目を閉じる動作で操作する
  • 家族の愛と、企業からの追跡を描く物語
  • (補足:コンテンツには「カートゥーン的な危機」や「薬物の使用を暗示する」表現が含まれると明記されています)

良い評価・面白い点

本作のポジティブな評価は、その短いプレイ時間(約4〜5時間)の中に凝縮された、感動的なストーリーと優れた演出に集中しています。前作同様、心を揺さぶる体験ができる、という声が上がっています。

特に、物語の結末やテーマ性を高く評価するレビューが見受けられました。「10点満点のストーリーで、最後には大泣きさせられた。一気に最後までプレイするのがベストだ」という絶賛の声があります。また、別のレビューでは、シンプルなグラフィックを補って余りある「優れた声優の演技、対話、そしてユーモア」が賞賛されていました。プレイ時間は1〜2セッション(数時間)でクリアできる短さでありながら、「しっかりと感動させ、ポジティブな印象を残してくれる」と評価されています。特に、物語の終盤で明かされる「友情」というテーマが、人種や理解を超えた純粋な絆を描いており、それが非常に心に響いた、という感想も見られました。

  • 4〜5時間でクリアできる、濃密な物語体験
  • 最後には涙を誘う、感動的なストーリーテリング
  • 声優の素晴らしい演技と、ユーモアのある対話
  • 「友情」という普遍的で真摯なテーマが心に残る

悪い評価・つまらない点

一方で、本作を「矛盾を抱えた作品」と厳しく評価する声も少なくありません。特に、前作『Before Your Eyes』の体験を期待してプレイすると、肩透かしを食う可能性が高いようです。

最も大きな批判点は、物語の焦点がぼやけている点にあります。あるレビューでは、本作の物語が「家庭の物語」から始まり、中盤で「SF」に転じ、終盤で両者を混ぜ合わせようとした結果、「どちらも中途半端になっている」と指摘されていました。家族の温情を描くにはプレイ時間が短すぎて描ききれず、逆にSF要素(超能力、宇宙人、人類の対立など)は陳腐で滑稽にすら感じられる部分があるとのこと。前作のような涙を誘う家庭の物語を期待すると、キャラクター描写が単薄で感情移入が難しく、がっかりするかもしれません。物語の核自体は悪くないものの、その語り口(叙事リズム)のバランスが悪く、体験全体を損なってしまっている、という厳しい意見です。

  • 家庭ドラマとSF要素がうまく融合しておらず、どっちつかずの印象
  • 物語のテンポやロジックが頻繁に崩れ、陳腐に感じられる場面がある
  • 前作と比較すると、キャラクター描写が単薄で感情移入が難しい
  • 複数のキャラクターが同時に話すシーンで、会話を追うのが困難な場合がある

賛否両論のゲームプレイ

本作の核である「カメラを使った操作」についても、評価は真っ二つに分かれています。革新的な試みであることは間違いないものの、それがゲーム体験を向上させているかについては疑問が呈されています。

前作の「まばたき」は、人生の束の間を表現するテーマと直結していましたが、本作のメインギミックである「目を閉じて他人の心を聞く」という操作は、単に「すべてのセリフを聞き終わるまで次に進めない」という足かせになっている、という批判があります。この仕様が、ただでさえゆっくりとした物語のテンポをさらに遅くしていると感じるようです。また、Webカメラを使った感情表現なども追加されましたが、結局はマウスやコントローラーも必要であり、操作が直感的でない場面も。あるプレイヤーは、「一部のシーンでタイミングがシビアすぎたり、次に何をすべきか分かりにくかったりして、最終的にWebカメラの使用を諦めた」と報告しています。没入感を高めるはずの仕組みが、逆にストレスや目の疲労につながっている、という皮肉な状況も生まれている模様です。

  • 「目を閉じる」操作が、物語のテンポを不必要に遅くしている
  • Webカメラ操作の使いすぎで目が疲れる、またはガイドが不親切な部分がある
  • 操作が直感的でなく、結局マウスやコントローラーを使った方が快適な場合がある
  • (VRヘッドセットであれば、より良い体験になったのではないか、という意見もある)

まとめ:前作とは別物。矛盾を抱えた意欲的な物語体験

『Goodnight Universe』のレビュー・感想をまとめると、本作は「『Before Your Eyes』の感動を期待してプレイすると失望する可能性のある、矛盾を抱えた意欲作」と言えるでしょう。

「10点満点」と絶賛する声がある一方で、「両頭立たず」と厳しく批判する声もあり、評価が大きく分かれています。感動的な結末や優れた声優の演技は確かに魅力的です。しかし、そこに至るまでの物語(家庭とSFのアンバランス)や、ゲームの中核であるカメラ操作(テンポの悪さ)が、多くのプレイヤーにとって大きなハードルとなっているようです。

前作の体験をもう一度、と望む方にはおすすめしにくいかもしれません。しかし、4〜5時間で終わる、欠点はあるもののユニークで野心的な物語実験に触れてみたいという方にとっては、心に残る何かを与えてくれる作品である可能性も秘めています。

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