「信号機を操作するだけのゲーム」と聞いて、あなたはどんな印象を持ちますか。一見すると地味な作業ゲーに思えるかもしれませんが、実は友情崩壊必至のパニックアクションとして、密かな人気を誇るのがこの『Urban Flow交通パニック』という作品です。ニンテンドーeショップのセール常連としても知られており、ワンコイン以下の価格で目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。今回は、このゲームが単なる「作業ゲー」なのか、それとも「神ゲー」なのか、実際にプレイして感じた魅力を包み隠さず考察していきます。
Urban Flow交通パニックはどんなゲーム?
本作のルールは極めてシンプルです。プレイヤーは街の交通整理役となり、交差点に設置された信号機を操作します。ボタンを押して赤信号と青信号を切り替え、四方八方から押し寄せる車をスムーズに流すことが目的となります。
具体的なゲームシステムは以下の通りです。
- 各ボタンに対応した信号機をオンオフするだけの簡単操作
- 車同士が衝突したり、待ち時間が長すぎてドライバーが怒り出すとゲームオーバー
- 救急車などの緊急車両は最優先で通さなければならない
- 戦車のような特殊車両は止まることなく突き進んでくる
- ステージクリア型のキャンペーンモードと、ひたすらスコアを稼ぐエンドレスモードが存在
画面の見た目は可愛らしいローポリゴンのジオラマ風ですが、やっていることは一瞬の判断ミスが命取りになるデスゲームと言っても過言ではありません。最初は単純な十字路から始まりますが、ステージが進むにつれてロータリーや線路、複雑に入り組んだ多重交差点が登場し、脳の処理能力の限界を試してきます。ソロプレイでストイックにハイスコアを目指すこともできますが、最大4人までのローカル協力プレイに対応しており、複数人でわちゃわちゃと遊ぶのが本来の楽しみ方と言えるでしょう。
Urban Flow交通パニックの面白い点
このゲーム最大の魅力は、マルチプレイにおける「責任の押し付け合い」と「連携が決まった時の快感」にあります。一人ですべての信号を見るのは大変ですが、友人と分担すれば楽勝かと思いきや、むしろ混乱が増すのが面白いところです。
特筆すべき評価点は以下の要素です。
- 『Overcooked!』のような、協力プレイ特有のカオスな楽しさが味わえる
- 操作が直感的であるため、ゲームに不慣れな人でもすぐに参戦できる
- BGMがチルアウト系のLo-Fiヒップホップで統一されており、パニック状態の画面とのギャップが心地よい
- 数百円という安価な価格設定(セール時は特に激安)に対して、ステージ数が多くボリュームがある
例えば、友人が担当する信号が青のままで、自分が担当する車線の車が突っ込んで事故が起きた時の「おい、今のはお前のせいだろ!」といった会話は、このゲームならではの醍醐味です。また、阿吽の呼吸で複雑なラッシュアワーを無事故でさばき切った時の達成感は、脳汁が出るほど中毒性があります。見た目の穏やかさに反して、非常にエキサイティングな体験ができる点は高く評価できます。
Urban Flow交通パニックのダメ・つまらない点
一方で、手放しで褒められる完璧なゲームかと言うと、決してそうではありません。特にソロプレイを中心・メインに考えている場合、本作はただの「過酷な労働」に感じられる可能性があります。
プレイ中に気になった欠点は以下の通りです。
- ソロプレイではマルチタスクを強要されるため、楽しさよりもストレスが勝ることがある
- ステージギミックに大きな変化が乏しく、中盤以降は難易度が上がるだけで作業感が強くなる
- カメラ視点が固定のため、建物の陰や街路樹で車が見えづらく、理不尽な事故が起きやすい
- 当たり判定が若干あいまいで、ぶつかっているように見えてセーフだったり、その逆もあったりする
特に「見づらさ」で難易度を上げてくるステージ構成は、パズルとしての面白さよりも理不尽さを感じさせます。また、ストーリー性は皆無であるため、淡々とステージをクリアしていくだけの構成に飽きが来るのも早いです。「信号を切り替える」というワンアクションだけで全てのステージを乗り切るため、アクションゲームとしての深みや成長要素を求めるプレイヤーには、どうしても底が浅く感じられてしまうでしょう。
まとめ
結論として、『Urban Flow交通パニック』は遊ぶ環境によって評価が180度変わるタイトルです。一人でじっくり腰を据えて遊ぶゲームとしては、単調さとストレスが目立ち、飽きが来るのも早いかもしれません。しかし、家族や友人と集まって遊ぶパーティーゲームとしては、コストパフォーマンス最強クラスの傑作に化けます。
購入をおすすめする層とそうでない層は以下のようになります。
- おすすめ:接待用やパーティー用のゲームを探している人、マルチタスクが得意な人
- 非推奨:重厚なストーリーやRPG的な成長要素を求める人、短気な人
もしあなたが、誰かと一緒に画面を見ながらあーだこーだと言い合える環境にあるなら、迷わず購入して損はありません。定価でも十分に安いですが、頻繁に行われるセールで100円〜500円程度になっている時が狙い目です。このゲームが提供してくれるのは、精巧なシミュレーション体験ではなく、信号機一つで友情にヒビが入るほどの熱いパニック体験なのですから。
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