Egypt City Builderはつまらない？面白い？考察・ネタバレあり

古代エジプトの砂漠に、自分だけの王国を築き上げる。そんなロマンあふれるシミュレーションゲーム『Egypt City Builder』がNintendo Switchに登場しました。ピラミッド建設やナイル川の恵みを活かした文明発展は、歴史好きならずとも心惹かれるテーマですよね。しかし、低価格帯のシミュレーションゲームには当たり外れが多いのも事実。「本当に楽しめるの？」「操作性は？」といった疑問を持つ方のために、本作の魅力と残念な点を忖度なしで徹底考察していきます。

「Egypt City Builder」はどんなゲーム？

本作は、タイトルの通り古代エジプトを舞台にした「都市開発シミュレーションゲーム」です。プレイヤーは指導者となり、何もない荒野を開拓し、資材を集め、住民を増やしながら巨大な都市国家を建設することが目的となります。

ゲームの基本的な流れは以下の要素で構成されています。

住居を建設して人口を増やす
農場や鉱山から食料・石材などの資源を確保する
集めた資源を使って、神殿や記念碑などの公共施設を建てる

最終的には、エジプト文明の象徴である「ピラミッド」や「スフィンクス」といった巨大建造物を完成させることが大きな目標の一つです。シムシティのように現代都市を管理するのではなく、限られた古代の技術と資源をやり繰りするマネジメント能力が問われます。敵国との激しい戦争というよりは、内政を整えて効率よく都市を拡大していく「箱庭系」のゲームプレイが中心となっており、じっくりと思考を巡らせたい人向けの設計になっています。

「Egypt City Builder」の面白い点

このゲームをプレイして楽しいと感じるのは、やはり「古代文明を一から作り上げる達成感」に尽きます。最初は粗末な小屋しかない集落が、自分の指示によって徐々に賑やかな石造りの都市へと変貌していく様子は、シミュレーションゲームならではの醍醐味と言えるでしょう。

具体的に評価できるポイントは以下の通りです。

世界観と雰囲気作りが良いエジプト神話をモチーフにしたBGMや、砂漠特有の乾いたグラフィックが、古代への没入感を高めてくれます。ただ建物を置くだけでなく、ヤシの木や装飾品を配置して「自分だけの美しいオアシス都市」を作るという、景観重視の楽しみ方も可能です。
明確な目標がある自由度が高すぎて何をすべきか分からないゲームとは違い、「次はこれを建てよう」「人口をここまで増やそう」というマイルストーンが分かりやすいのが特徴です。特に巨大建造物の完成には大量の資材と時間が必要になるため、それを達成した時のカタルシスはひとしおです。
Switchで手軽に遊べる操作感PC版の複雑なRTS（リアルタイムストラテジー）と比較して、システムが簡略化されているため、難しいことを考えずにサクサクと建設を進められます。寝転がりながら、少しずつ街が育っていくのを眺めるのは、非常にリラックスできる時間となります。

このように、複雑な外交や戦闘に疲れず、純粋に「建設と資源管理」を楽しみたいプレイヤーにとっては、心地よい作業感が味わえる作品です。

「Egypt City Builder」のダメ・つまらない点

一方で、本格的なシミュレーションゲームに慣れている人にとっては、どうしても「物足りなさ」や「粗」が目立ってしまう部分があります。購入前に以下のマイナスポイントは把握しておくべきでしょう。

特に気になった点は以下の要素です。

中盤以降の「作業感」が強いある程度都市が発展し、資源の供給ラインが安定してしまうと、やることが急激になくなります。ランダムイベントや災害といったプレイヤーを飽きさせないギミックが乏しいため、ひたすら資源が貯まるのを画面の前で待つだけの「放置ゲーム」に近い状態になりがちです。
UI（ユーザーインターフェース）の使いにくさ元々マウス操作を想定しているような画面構成のためか、コントローラーでの操作にまどろっこしさを感じることがあります。目的のメニューを開くのに何度もボタンを押す必要があったり、カーソルの挙動が思い通りにいかなかったりと、地味なストレスが蓄積していきます。
ボリューム不足感建物やユニットの種類が決して多くはないため、一度クリアまで遊んでしまうとリプレイ性が低いのが難点です。「次は違う戦略で攻略しよう」と思わせるほどの深みがなく、数時間で遊び尽くせてしまう内容であることは否めません。

「文明の興亡」を描くような壮大な歴史ドラマを期待すると、システム的な底の浅さにガッカリする可能性があります。あくまで「カジュアルな街づくり」と割り切る必要があります。