2025年11月27日にNintendo Switchでリリースされた新作FPS『バレット ストライク(Bullet Strike)』をご存じでしょうか。TROOOZEから発売された本作は、化学プラントや核燃料施設という危険地帯を舞台にした、シングルプレイ特化型のミリタリーアクションゲームです。Switchでは貴重なリアル路線のFPSということで、軍事モノや銃撃戦が好きなゲーマーからは密かに注目を集めています。価格は2,300円とインディーゲームとしては中堅クラスの設定ですが、果たしてその価格に見合う内容なのでしょうか。「フォトリアル」を謳うグラフィックや、戦車まで操縦できるというゲームプレイの実際はどうなのか。今回は、この『バレット ストライク』について、ゲームシステムや魅力、そして気になる点まで、ネタバレを含みつつ考察していきます。
「バレット ストライク」はどんなゲーム?
本作は、世界安全保障連盟の特殊介入部隊「バレット ストライク」の一員となり、テロリストや敵対勢力に制圧された化学プラント地帯を奪還することが目的のシングルプレイFPSです。 プレイヤーに課せられる任務は多岐にわたりますが、基本的には敵の殲滅と拠点の制圧がメインとなります。
最大の特徴は、以下の要素を組み合わせた戦場体験です。
- 歩兵としてのアサルトライフルや狙撃銃を使った銃撃戦
- 戦車(タンク)に乗り込んでの重火器による破壊活動
- 画面右下に表示される「リアルタイム心拍モニター」による演出
ストーリー設定としては、多国籍軍事複合体「ノーザン・ダイナミクス」が次世代核燃料「ニュークリオン・コア」を支配しようとしており、プレイヤーはその野望を阻止するために送り込まれます。 マルチプレイ対戦が主流の現代FPSにおいて、あえて「シングルプレイ」に特化しており、ストーリーミッションやデスマッチ(ボット対戦)を通じて、一人でじっくりと戦場の緊張感を味わえる設計になっています。 ステージは高低差のある精錬塔や球形タンクが並ぶ工業地帯で、スナイパーとして高所から狙い撃つか、地上で激しく撃ち合うか、プレイヤーの判断が戦況を左右します。
「バレット ストライク」の面白い点
このゲームをプレイして楽しいと感じられる最大のポイントは、「Switchで手軽に遊べるリアル寄りなミリタリーごっこ」ができる点です。 多くのSwitchユーザーが抱える「本格的なFPSを遊びたいが、対人戦は疲れる」という悩みに、本作は明確な答えを出しています。
具体的に評価できる点は以下の通りです。
- 戦車を操縦できる爽快感歩兵戦だけでなく、戦車に搭乗して120mm主砲をぶっ放せるのは大きな魅力です。敵の歩兵や車両を圧倒的な火力で吹き飛ばす感覚は、生身の銃撃戦とは違ったカタルシスがあります。着弾時に砂塵が舞い上がるエフェクトも派手で、戦場の雰囲気を盛り上げてくれます。
- マイペースに遊べるシングルプレイオンライン対戦がないため、マッチングの待ち時間や、猛者プレイヤーに蹂躙されるストレスが一切ありません。自分の好きなタイミングで一時停止でき、何度も同じミッションに挑戦して攻略パターンを構築するという、昔ながらのFPSの楽しみ方が可能です。
- 緊張感を演出するギミック画面上の心拍モニターや、砂嵐が舞う荒廃したフィールドの空気感は、没入感を高めるために一役買っています。特にスナイパーライフルを使用した際の、呼吸を整えて撃つような「静」の緊張感と、戦車戦の「動」の迫力の対比は、本作ならではの面白さと言えるでしょう。
このように、複雑なシステムを覚える必要なく、直感的に「戦場のアクション」を楽しめる部分が本作の強みです。
「バレット ストライク」のダメ・つまらない点
一方で、2,300円という価格帯や、大手AAAタイトルと比較した場合に、どうしても粗が目立ってしまう部分も存在します。 購入を検討する際には、以下のマイナスポイントもしっかりと理解しておく必要があります。
特に気になった点は以下の要素です。
- AI(敵の思考)の単調さシングルプレイ専用ゲームにおいて、敵の賢さは楽しさに直結しますが、本作の敵AIはあまり賢くありません。棒立ちで撃ってきたり、遮蔽物をうまく使わずに突っ込んできたりと、行動パターンが単調になりがちです。そのため、緊張感はあるものの「駆け引き」という点では物足りなさを感じる場面があります。
- 「フォトリアル」の限界公式の説明では「最先端のフォトリアルグラフィック」と謳われていますが、Switchのハードウェアスペックの制約もあり、PCや次世代機のFPSと比べると解像度やテクスチャの粗さが目立ちます。特に遠景のぼやけや、オブジェクトの表示遅れなどが気になる場合があり、過度なグラフィックへの期待は禁物です。
- ボリュームと価格のバランスインディーゲームとしては少々強気の価格設定ですが、ミッションの種類やマップのバリエーションが価格に見合っているかというと疑問が残ります。基本的に「敵を倒す」ことの繰り返しであるため、ストーリー展開や演出に飽きてしまうと、作業ゲー(単調な作業の繰り返し)と感じてしまうリスクがあります。
「徹底的にリアルな戦場シミュレーター」を期待すると、挙動の軽さやAIの甘さに肩透かしを食らうかもしれません。あくまで「雰囲気重視のライトなFPS」として割り切る必要があります。
まとめ
『バレット ストライク』は、Nintendo Switchで手軽に「戦車&銃撃戦」を楽しみたいプレイヤーにとっては、一定の需要を満たしてくれる作品です。 特に、オンライン対戦の殺伐とした空気に疲れた人や、何も考えずに戦車で敵を吹き飛ばしてストレス解消したい人には向いています。
本作の評価をまとめると以下のようになります。
- おすすめできる人:シングルプレイで黙々と遊びたい人、戦車などの乗り物が好きな人、短時間でサクッとミッションをこなしたい人。
- おすすめできない人:高度な対戦ツールを求めている人、4K画質並みの美麗グラフィックを重視する人、複雑なストーリーや賢いAIとの戦いを望む人。
傑作とは言い難い部分もありますが、B級アクション映画のような「荒削りだけど、なんか憎めない面白さ」を持ったゲームです。 もしあなたが、化学プラントの錆びついた風景の中で、孤独な兵士として戦うロマンに惹かれるのであれば、入隊(購入)してみる価値はあるかもしれません。 戦車に乗り込み、砂塵を巻き上げて、ノーザン・ダイナミクスの野望を打ち砕きましょう。
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