Avalone’s Adventurersはつまらない？面白い？レビュー・感想まとめ

冒険家業を継いだばかりの主人公マリアンヌとなり、望まない婚約を解消するために奮闘するシミュレーションゲーム『Avalone’s Adventurers』。自らが剣を取るのではなく、冒険者を雇って派遣するという経営者視点のゲームプレイが特徴です。果たしてこのゲームは面白いのでしょうか、それとも作業ゲーでつまらないのでしょうか？

この記事では、ゲームのシステムや魅力、そして人を選ぶポイントについて詳しく解説していきます。書類仕事に追われるギルド運営の悲哀と楽しさが入り混じった、独特な世界観について見ていきましょう。

📜書類整理と経営シミュレーションが融合した独特のゲーム性

このゲームの最大の特徴であり、面白さの核となるのは徹底したデスクワークのシミュレーションです。プレイヤーであるマリアンヌは冒険に向いていないため、主な戦場は机の上となります。次々と舞い込む応募書類やクエスト依頼書を、限られた時間の中で処理しなければなりません。単にクリックするだけでなく、不要な報告書は捨て、必要なものは保管庫へ、そして類似の書類は重ねて整理整頓するといった、物理的な操作感が求められます。

プレイするたびに異なる展開が待っているため、飽きずに楽しめるのもポイントです。しかし、この「書類整理」という行為そのものに楽しさを見出せるかどうかが、評価の分かれ目となるでしょう。

整理整頓の快感： 散らかった机を綺麗にし、効率よく業務をこなすことに達成感を感じる人にはたまりません。
リアルな忙しさ： 日を追うごとに書類の量は増え、処理しきれないほどのタスクが積み重なる様子は、ある意味でリアルな仕事のようです。
判断力が試される： 瞬時に書類の内容を精査し、捨てるべきか残すべきかを判断するスピード感がゲームのスリルを生んでいます。

アクションゲームのような派手さはありませんが、次から次へと押し寄せる情報を処理していく「事務作業ハイ」のような状態になれるのが、本作の独特な魅力と言えます。

💰婚約破棄のために稼げ！シビアな資金繰りと人材管理

本作のストーリーには明確な目的があります。それは、ダグラス・ナイトグレイブ公爵の息子との望まない婚約を解消するため、莫大な違約金（前払いされた結婚式費用）を稼ぐことです。この切実な目的が、ゲームプレイに緊張感とモチベーションを与えています。プレイヤーはただ漫然とギルドを運営するのではなく、期限内に利益を最大化しなければなりません。

ここで重要になるのが、冒険者の雇用とクエストのマッチングです。安く雇える新人は失敗のリスクが高く、ベテランは給料が高い。このジレンマの中で最適な人材を選び、利益率の高いクエストへ送り出す必要があります。経営判断を誤れば、給料が払えなくなり、婚約破棄の夢も遠のいてしまうでしょう。

人材の見極め： 応募書類のスキルとコストを天秤にかけ、コストパフォーマンスの良い冒険者を見つけ出す楽しみがあります。
リスク管理： 難易度の高いクエストは報酬も良いですが、失敗すれば元も子もありません。パーティー編成の戦略性が問われます。
ストーリーの推進力： 「ドラゴンを恥じ入らせるほどの金貨」を積み上げるという目標が明確なため、単調になりがちな作業にも熱が入ります。

親が決めた勝手な婚約に対する反骨精神が原動力となっており、稼いだゴールドで自由を勝ち取るというカタルシスを目指してプレイすることができます。

🤔Avalone’s Adventurersはどんな人におすすめ？

結論として、このゲームは「管理業務」や「パズル的なタスク処理」に快感を覚える人にとっては非常に面白い作品ですが、RPG的な冒険を期待する人にはつまらないと感じられる可能性があります。いわゆる「Papers, Please」のような、書類審査系ゲームの系譜に連なる作品であり、ファンタジー世界を舞台にしていながらも、やっていることは非常に現実的なデスクワークだからです。

購入を検討する際は、以下のポイントを参考に自分に合っているか判断することをおすすめします。

おすすめできる人：
- 効率化や整理整頓が好きで、タスクをさばくことに喜びを感じる方
- リソース管理や経営シミュレーションといったジャンルが好物な方
- 独特な設定や、ちょっとしたブラックユーモアのある世界観を楽しめる方
おすすめできない人：
- 自らがキャラクターを操作して敵と戦うアクション性を求めている方
- 細かい文字を読んだり、地味な作業を繰り返すのが苦痛な方
- 壮大な物語やドラマチックな演出を最優先したい方