Embark Studiosが送る新作PvPvE脱出シューター、『ARC Raiders』。機械獣ARCとの戦い、他のプレイヤーとの駆け引きが注目を集めていますが、実際のところ「面白い」のでしょうか、それとも「つまらない」のでしょうか。
結論から言うと、『ARC Raiders』は「プレイヤー間の緊張感や駆け引き」を最大限に楽しみたい人には面白く、一方で「理不理尽なPvP(対人戦)」に強いストレスを感じる人にはつまらないと感じる可能性が高い、非常に評価の分かれる作品です。
その最大の理由は、本作の面白さの根幹が「PvE(対機械)とPvP(対人)の絶妙なバランス」にあるものの、そのバランスがサーバー環境やプレイヤーの動向(民度)によって大きく左右されてしまうからです。
この記事では、『ARC Raiders』がどのようなゲームなのか、そして実際にプレイした人々の「面白い」「つまらない」という両方の感想・レビューをまとめ、本作がどんな人におすすめなのかをご紹介します。
『ARC Raiders』はどんなゲーム?
『ARC Raiders』は、危険な機械「ARC」に支配された地表を舞台にした、基本プレイ無料のPvPvE(プレイヤー対環境対プレイヤー)脱出シューターです。
プレイヤーは「レイダー」として、地下社会「スペランザ」を拠点に行動します。地表で資源(戦利品)を漁って回収し、機械の脅威だけでなく、同じく資源を狙う他のレイダー(他プレイヤー)の脅威にも対処しなくてはなりません。ゲームはソロ、または最大3人のパーティでプレイ可能です。
本作の主な特徴は以下の通りです。
- 危険な地表の探索リリース時点で4つの個性的なマップが存在し、天候や敵、ギミックが予測不可能な展開を生み出します。
- クラフトとカスタマイズ回収した素材で武器、ガジェット、ギアをクラフト・アップグレードします。拠点のワークショップを強化し、より高度なアイテムを作成することも求められます。
- クエストとスキルツリースペランザのトレーダーからクエストを受け、ギアや経験値を獲得します。スキルツリー(サバイバル、機動性、スタミナ)で自分のプレイスタイルを確立できます。
- 機械「ARC」との戦闘執拗なドローンから巨大な機械まで、多様なARCが登場します。それぞれに弱点や戦術があり、迅速な判断が求められます。
- 他のレイダーとの駆け引き戦闘音を聞きつけた他のレイダーが、漁夫の利を狙って現れる可能性があります。協力するか、敵対するかはプレイヤー次第です。
このように、ARCとの戦闘(PvE)、資源の回収、そして他のプレイヤーとの遭遇(PvP)という3つの要素が絡み合う、緊張感の高いゲーム性が魅力となっています。
面白い派の意見:極限の緊張感と協力のドラマ
『ARC Raiders』を「面白い」と感じる人々は、特に他のプレイヤーの存在がもたらす「予測不可能な緊張感」と、その中で稀に生まれる「協力のドラマ」を高く評価しています。
本作の神髄は、AIであるARCとの戦いだけでなく、いつどこで他のプレイヤーに遭遇し、撃たれるかもしれないという極限状態の体験にあります。この緊張感が、他のCo-opシューターにはない独自の面白さを生み出しているのです。
ポジティブな意見としては、以下のような点が挙げられます。
- すれ違う相手が敵か味方か分からない緊張感本作の面白さの核心は「すれ違ったプレイヤーに撃たれるかもしれないし、挨拶して通り過ぎるだけかもしれない」という揺らぎにある、という意見です。この予測不可能性がたまらないスパイスになっています。
- サーバーによっては人間味のある協力プレイも特に北米サーバーなどでは、ボイスチャットやエモートを通じたコミュニケーションが機能しやすい傾向があります。ARCに襲われているプレイヤーを自然に助けたり、ダウンした人を蘇生したり、大型ARC討伐後に物資を分け合ったりといった、人間味のあるドラマが生まれることもあります。
- 優れた音響デザインゲームの緊張感を土台から支える音響のクオリティが非常に高い、という評価も目立ちます。遠くで聞こえる銃声やARCの足音が、探索の緊張感を格段に引き上げています。
このように、PvPの危険性を受け入れた上で、その中で生まれる一瞬の共闘や駆け引きを楽しめるプレイヤーにとっては、唯一無二の体験ができる作品となっているようです。
つまらない派の意見:崩壊したPvPバランスと民度
一方で、『ARC Raiders』を「つまらない」あるいは「おすすめしない」と感じる意見も非常に多く見られます。その不満は、理想として設計されたはずのPvPvEバランスが、現実のプレイヤー動向によって崩壊している点に集中しています。
本来は「ARCの脅威に対して時には協力し、時には敵対する」という繊細なバランスが魅力のはずでした。しかし現状では、特にアジアサーバーなどを中心に、協力のメリットよりもPvPのリスクが極端に高くなっているようです。
ネガティブな意見の具体的な理由は以下の通りです。
- コミュニケーションを無視したPK(プレイヤーキル)の横行アジアサーバーでは、ストリーマー文化の影響もあってか、他人の物資を奪うことだけを目的としたプレイヤーが多いという指摘があります。ボイスチャットや「撃つな!」のエモートを無視して即座に攻撃されたり、協力的なプレイヤーを揶揄する風潮すら見られるようです。
- 「漁夫の利」狙いのゲーム性プレイヤーの耐久力が低く(紙耐久)、装備をしっかり固めても、無料装備のプレイヤーによる奇襲で簡単に倒されてしまうバランスになっています。これにより、大型ARCと苦労して戦っている最中に、他プレイヤーに横槍を入れられて全てを奪われる「漁夫の利」が常態化しており、強い装備で挑む意味を失わせています。
- 中盤以降のコンテンツ不足序盤は面白いものの、中盤以降はARCも弱く感じられ、やることがなくなりがちです。その結果、多くのプレイヤーが刺激を求めてPvPに傾倒し、ゲーム全体が単なるPK(対人戦)ゲームになってしまっているという感想も見受けられました。
このように、協力的なプレイを期待して始めると、理不尽なPvPによって一方的に蹂躙される体験が続き、ゲームの寿命を著しく縮めているとの懸念が示されています。
まとめ:『ARC Raiders』はどんな人におすすめ?
『ARC Raiders』は、「予測不能な対人戦の緊張感」を愛するプレイヤーには面白く、逆に「理不尽な妨害をストレスに感じる」プレイヤーには全くおすすめできない、極めて人を選ぶゲームです。
本作の評価は、プレイするサーバーや時期、そして「プレイヤー全体の動向」という非常に不安定な要素によって、「神ゲー」にも「ただのPKゲー」にも変わりうる、繊細なバランスの上に成り立っています。
以上の点を踏まえ、本作をおすすめできる人・できない人をまとめます。
おすすめできる人:
- 『Escape from Tarkov』のような、ハードコアな脱出シューターの緊張感が好きな方。
- 理不尽な死や装備の喪失を「ゲーム体験の一部」として受け入れられる方。
- サーバーを選んだり、仲間とパーティを組んだりして、対人戦の駆け引きを楽しみたい方。
- 今後のアップデートによるバランス調整に期待できる方。
おすすめできない人:
- 純粋なPvE(AIとの戦闘)や、プレイヤー同士の協力プレイ(Co-op)を楽しみたい方。(専用のPvEサーバーはありません)
- アジアサーバーで、コミュニケーションをベースにした協力を期待している方。
- 他のプレイヤーに一方的にキルされ、苦労して集めたアイテムを失うことに強いストレスを感じる方。
もし興味を持たれたなら、まずは基本プレイ無料であることを活かし、本作が持つ独特の緊張感と、現在のプレイヤー環境が自分に合うかどうかを、ご自身の目で確かめてみるのが一番かもしれません。
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