ローグライトの採掘シミュレーターというユニークなジャンルで人気を博した『Wall World』の続編、『Wall World 2』が発売されました。プレイヤーは巨大な「壁世界」を移動するロボスパイダーのパイロットとなり、壁の奥深くに潜り、資源を採掘し、襲い来る怪物の軍団から生き残ることを目指します。しかし、前作からの大幅な変更点や追加要素が、ファンの中で賛否両論を巻き起こしているようです。果たして、『Wall World 2』は前作を超える「面白い」進化を遂げたのか、それとも「つまらない」改悪となってしまったのか、寄せられたレビューや感想を元に、その実態を徹底検証します。
『Wall World 2』の主な特徴と前作からの変化
まず、本作がどのようなゲームなのか、その特徴を見ていきましょう。結論として、本作は前作のローグライト採掘の基本構造を維持しつつ、「ミッション制の導入」と「エグゾスーツによる内部探索」を強化した、よりアクション性の高い作品となっています。
プレイヤーは引き続きロボスパイダーを操り、「壁世界」の奥深くへ潜っていきます。自動生成される鉱山で資源や技術品を発見し、ロボスパイダーとパイロットが搭乗するエグゾスーツを強化しながら、絶え間なく襲い来る怪物と戦い生存を目指します。前作からの大きな変更点は「ミッション制の導入」です。これにより、一回のプレイ時間が短くなり、手軽に遊べるようになりました。また、壁の外(ロボスパイダー)だけでなく、内部(エグゾスーツ)でも戦闘や探索が求められ、よりバラエティ豊かなプレイが楽しめる設計になっています。
- ミッション制の導入
1プレイの時間が短くなり、より手軽に挑戦できるようになりました。 - 内外での戦闘
壁の表面だけでなく、鉱山内部のエグゾスーツでも戦闘が発生します。 - カスタマイズと強化
ロボスパイダーとエグゾスーツの両方を、ランの合間にカスタマイズ・アップグレードできます。 - 新たなバイオーム
不思議なバイオームやアノマリー(異常現象)が探索を邪魔したり、手助けしたりします。
良い評価・面白い点:テンポの良さと自由な探索
本作のポジティブな評価は、その手軽さと、パイロット自身による内部探索の面白さに集まっています。結論として、短時間で手軽にローグライトを楽しみたいプレイヤーにとっては、改良点が見られるようです。
まず、最大の変更点である「ミッション制」について、「1プレイが短く、10分ほどで終わるものもある」という意見があり、短時間で手軽に遊べる点を評価する声が聞かれました。これは、前作の長いランに疲れていたプレイヤーにとって朗報と言えるでしょう。また、エグゾスーツでの探索において、「ダッシュが無限に使え、地形を上手く使えば早く移動出来るところ」が爽快感を生んでいます。エグゾスーツに搭載される武装はランダムですが、強力なメインウェポンや自動攻撃モジュールを拾えれば、タワーディフェンス(TD)部分が楽になり、しっかりと戦略が機能する設計になっている点も評価されていました。全体的に、「Dome Keeperの縦型バージョン」のような要素を持ちつつ、移動する拠点というユニークな要素が、探索の自由度と面白さを高めていると言えるでしょう。
- ミッション制の導入により、1プレイが短く手軽に遊べるようになった。
- エグゾスーツのダッシュが快適で、移動の自由度が高い。
- 自動攻撃を複数搭載するなど、武装のランダム性と戦略性がTD部分の面白さに繋がっている。
- 永続強化の素材が比較的集まりやすく、次へのモチベーションを維持しやすい。
悪い評価・つまらない点:バランスの崩壊とストレス要素
本作に対して寄せられている最も大きな、そして致命的な批判は、「ゲームバランスの崩壊」です。前作のファンからは、続編ではなく「難易度が高く不快なDLCのようだ」と非常に厳しい評価が下されています。
前作の熱狂的なファンからのレビューでは、本作の「バランス」が「巨大な問題」であると断じられています。特に初期段階の難易度が不適切に高く設定されている点がストレスの原因です。前作では初期の採掘や戦闘が「瞑想的な楽しさ」を生むように調整されていたのに対し、本作ではブロックが「非常に硬く」なり、「掘るのが不快」になったと感じられています。また、敵の耐久力(HP)も不自然に増加しており、「強化していない銃で倒せるはずの小型の敵が硬い」ため、戦闘が「不快に感じる」という意見もありました。この「不快感」が、ローグライトの「何度も挑戦する楽しさ」を完全に打ち消してしまっているようです。
- 初期のブロックが非常に硬く、採掘が「不快」でストレスが溜まる。
- 初期の敵(モブ)が不自然にタフで、戦闘の爽快感が失われている。
- リソースを消去する敵など、単純に「ストレス」を生む要素が導入されている。
- 初期のアップグレードの効果が感じられず、ゲーム開始時のプレイが苦痛である。
- ミッション制の導入により、他のシステム(特に初期装備)との噛み合いが悪くなっている。
さらに、演出面についても「相変わらず雑すぎる」「スパイダーの動き以外1とビジュアルも採掘システムも何も変わらないように見える」と、続編としての新鮮さに欠けるという指摘もされていました。
開発者への提言:バランスの「ダイエット」を
前作のバランス調整に最大限の敬意を払うファンは、開発陣に対して非常に具体的な「バランスの修正」を求めています。結論として、今の「脂っこい」バランスでは新規も古参も離れてしまうという危機感が伝わってきます。
批判的なレビューをしたプレイヤーは、本作のバランスが、前作の「不快ではあったが意図のあったDLC」のバランスを引き継いでいると分析しています。そして、「これは第2弾のDLCではなく、第2弾のフルゲームだ」と強調し、プログレッションがリセットされた状態であることを忘れないよう訴えかけています。彼らの主な提言は以下の通りです。
- 初期のブロックの耐久力を下げ、掘る回数を3回程度に減らすべき。
- 初期の小型敵は、強化していない銃の弾丸1~2発で倒せるようにHPを大幅にカットすべき。
- ゲーム序盤で不快な強敵を出すのではなく、第2ウェーブやミニボスの位置づけにすべき。
- 初期のアップグレード(特にカッターや武器の強化)が明確に感じられるように調整すべき。
「トレーラーではブロックを2回で掘っていたのに、実際は5〜6回も掘らなければならないのはなぜか?」という指摘は、開発側も現状の初期バランスが「楽しくない」ことを認識しているのではないか、という痛烈な皮肉にも聞こえます。この初期バランスの改善が、本作が名作となるか、それとも「不快なゲーム」として忘れ去られるかの分水嶺となるでしょう。
まとめ:良質なシステムと最悪なバランスの矛盾作
『Wall World 2』のレビュー・感想をまとめると、「ミッション制による手軽さや探索の楽しさといった良質なシステムを持ちながら、初期段階の『不快な』バランス調整によって、その面白さを自ら殺してしまっている」という、非常に残念な結果となっています。
前作のファンを魅了したローグライトとしての基本構造は健在であり、短時間で遊べるようになった点は歓迎すべき進化です。しかし、そのすべてを台無しにしているのが、採掘のストレスと初期戦闘の不快感という「バランスの悪さ」です。これは、特にローグライトというジャンルにおいて、プレイヤーのモチベーションを削ぎ、ランを「苦痛」に変えてしまう致命的な欠点と言えるでしょう。現在のところ、本作の購入を検討されている方は、今後の「バランス調整パッチ」を待つか、前作のファンであっても「序盤は苦痛を伴う」ことを覚悟した上で、その先のポテンシャルに賭ける必要があると言えます。
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